平成25年度新政策と予算編成の方針
平成25年度新政策と予算編成の方針
10月24日記者発表
「元気な和歌山」の実現に向けて
平成25年度新政策と予算編成の方針
1 平成25年度新政策の基本的な考え方
我が国の経済を取り巻く環境は、欧州債務問題の深刻化、中国など新興国経済の減速、円高の長期化などの影響により依然として不透明な状況にあり、本県経済も低迷が続いている。
さらに本県においては、人口減少に伴う過疎化や高齢化の進展に加え、発生した場合には甚大な被害が予想される南海トラフの巨大地震への対応など、様々な課題が山積している。
こうした状況を踏まえ、平成25年度新政策では、新たな被害想定を踏まえた対策や地域防災力の強化などに取り組む「大規模災害に備えた『安全』の政策」、医療や福祉、生活環境を充実させる「県民の命とくらしを守る『安心』の政策」、さらには、県経済と地域の成長を促し、将来の和歌山を支える人材を育成する「成長に向けた『挑戦』の政策」を着実に推進することで、『元気な和歌山』の実現をめざす。
大規模災害に備えた『安全』の政策
南海トラフの巨大地震や風水害などの災害から県民の生命、財産を守るため、とりうる手段を尽くして総合的に防災対策を推進
南海トラフ巨大地震等への備え
- 災害時に救援・救助対策の中心となる公共施設の高台移転を促進
- 「津波犠牲者ゼロ」をめざし、避難困難地域における住宅の高台移転や津波避難ビルの建設など災害に強いまちづくりを推進することとし、そのための制度を構築する
- 適切な避難行動を促すため、津波ハザードマップの作成を支援
- 避難路や避難場所の整備、水門等の改修、津波時の火災予防対策など適切な避難に必要な施設の整備を促進
- 津波対策のための港湾・河川施設等の整備計画を見直すとともに、津波から「逃げ切る」支援対策プログラムを改定
- 災害発生時の円滑な救援活動に必要な幹線道路ネットワークの整備を促進など
台風や集中豪雨への備え
- 紀伊半島大水害からの生活再建や道路・河川等のインフラ復旧を推進
- 堆積土砂を効率的に撤去し、河川の治水安全度の向上を図るため、砂利の一般採取を再開
- 紀の川水系の治水対策を総合的に推進するため、河川改修や国営総合農地防災事業を実施など
地域防災力の強化
- 防災拠点や避難所の電力確保に向けた蓄電池付き太陽光発電設備の導入を支援
- 適切な避難行動を促すための地震・津波観測情報の収集や降水予測、洪水情報の提供を充実
- 地震や豪雨等による被害を未然に防ぐため、危険ため池の改修を加速化
- 災害時に重要な情報伝達手段となるラジオの受信環境向上対策を実施(ラジオ通じるプラン)など
県民の命とくらしを守る『安心』の政策
慣れた地域で生涯を通じて安心して過ごせる生活環境を創るため、福祉・医療の充実や暮らしを守る政策を堅実に実践
質の高い医療の確保と健康づくりの推進
- 地域の救急医療体制の強化に向けた集中治療室(橋本市民病院)等を整備
- 看護師不足解消に向けた紀中地域への看護師養成所の設置を支援
- 受診率の向上をめざした検診の充実や新宮市立医療センターへの放射線治療機器の導入など、がん対策を総合的に推進など
安心して暮らせる社会の構築
- 生活保護受給者の自立に向け、社会福祉法人と連携しボランティアの場を提供するとともに求職活動を支援
- ペアレントメンター等の養成など発達障害児(者)の健やかな成長を支援するための相談体制を充実
- 高齢者の交通安全対策を強化するため、老人クラブと連携した交通安全教室の開催や高齢者にやさしい道路整備、運転免許証の自主返納を促進する取組を充実
- 脱法ハーブなど県民の健康を害するおそれのある薬物の濫用を防止するため、規制を強化
- 防犯カメラの画像解析システムの導入など科学技術活用により犯罪捜査力を強化
- わかやま婚活応援団認定制度の創設や出会いの機会の拡大など結婚を望む方を応援する取組を強化など
成長に向けた『挑戦』の政策
和歌山の成長と発展に向け、意欲に溢れる中小企業や農林漁業者の新たな取組を支援するとともに、心豊かで広い視野を持った人材を育成
地域経済を支える産業の強化
- 農業用ハウスへの木質バイオマスボイラーの導入支援など新エネルギーの利用を促進
- 優良品種への改植やマルチ栽培等の栽培管理、光センサー等による選果の徹底など、高品質農産物の生産・出荷体制を強化し、主要農産物の価格安定対策を推進
- 次代の農業を牽引する果樹の導入に向けて、新たな品目・品種や栽培技術の開発、改植や用地確保などを総合的に支援
- 鳥獣被害対策を強化するため、有害サル群捕獲対策を実施
- 見本市への出展など国内外に打って出る意欲のある企業の販路開拓を支援
- 観光振興の起爆剤とするため、世界遺産10周年を核に、伊勢神宮式年遷宮から熊野三山への誘客促進と高野山開創1200年キャンペーンを総合的に展開
- 近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道、府県間道路、川筋道路を中心とする道路ネットワークの整備を促進など
子どもの自立を育む教育環境の充実
- 小中学校教員の授業力を向上させるため、子ども達の国語や算数・数学の課題を分析し、すべての小中学校を対象に授業の改善につながる研修を実施
- すべての小中学校において学力が十分身についているかを把握するための学力到達度調査を実施するとともに、小中高を通じて授業についていけなくなった児童・生徒への補充学習を徹底するなど、学力の向上を総合的に支援
- 新たに作成する副教材を活用し、学校における道徳教育を徹底
- いじめの早期発見と迅速な対応を可能とするため、スクールカウンセラーを増員するとともに新たに専門家によるサポート体制を創設
- 地域の子ども達の健全な成長をサポートするため、地元の青年団体等と協働し、「リレー式次世代健全育成事業」の強化に取り組むなど
<地域の特色を活かした魅力の創造>
- 紀の国わかやま国体の総合優勝をめざしたトップアスリートの育成など選手の競技力をさらに強化するとともに、国体関連施設の整備を促進
- スポーツを核に、農林水産業や観光を組み合わせたまちづくりを支援
- 県民の知的好奇心をいざない、未来を担う子ども達を育む場となるよう博物館等の機能を強化
- ジオパーク指定に向け、ガイドの養成やジオツアーの開催など地域を盛り上げる取組を実施
- 超高速ブロードバンド基盤整備により県民の利用環境を向上など
2 平成25年度予算編成方針
『元気な和歌山』の実現に向けて、平成25年度の新政策を推進するとともに、平成24年3月に策定した「新行財政改革推進プラン(改定版)」を着実に実施する。
事務事業の見直しを徹底し、既存事業については-5%のシーリングを実施する。
投資的経費については、事業効果や緊急性等を精査しつつ、全体としての投資が財政健全化の妨げとならないように努める。
ただし、上記重点政策に沿った事業は、原則としてシーリングを設定しない。
なお、国の予算編成の動向等を踏まえ、予算編成過程において調整等を行うものとする。